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動機と機動

2年前から担当させていただいている大手流通グループさまの次世代リーダー塾。





月一回の合宿形式で一年間にわたって行われるプログラム。


グループ全体から20名ほどの精鋭が集まる研修です。


今回、塾生の皆さんにお話ししたことを少し。


モチベーションという言葉があります。もはや、日本語化された言葉ともいえますが、皆さん、この言葉の意味を考えたことはありますか?


やる気、その気、動機付け、内面から目的に対して湧き上がる心的衝動、など様々な日本語訳がつけられています。


このことから。


モチベーションを上がると、人は行動が促されるようになるという仮説のもと、たくさんの研修プログラムが世の中に溢れています。


しかし、ワタシは少し疑問があります。


モチベーションが上がると本当に行動が促されるのか?


その秘訣は「動機」にあるとよく言われます。動く意味づけをしてあげるということです。

なるほど。


意味がわかると、動く理由ができますし、動く可能性は高いといえます。


しかしながら、その理由はきっと人それぞれであり、それをひとつづつ管理するのは大変ですし、動機のない人に自分で動機をみつけるように指導することもなかなか骨の折れることのように感じます。


また、その指導では、全体が能動的に動きだすまでに相当な時間がかかるように思います。

働き方改革をはじめ、現在の社会は効率とスピードが絶対条件になってきています。


その時にこの動機付けという指導法は難しいのではないかと思います。大事なことではありますが。


むしろ大事なのはスピードです。


いかに速く動くか。


そのヒントは動機を逆さまにすることです。


動機→機動。


機動部隊や機動隊、機動力など、「機動」を使った言葉は、スピードと柔軟性と対応力に溢れています。


ここでポイントは、機動はそもそも動くことが前提になっています。


機会があれば動く。


シンプルです。


ここに必要なのは、意味ではなく合意です。


機会があれば動くということだけ合意すればいいのです。


そして動いた結果をしっかり検証し、その判断を修正していく、これを高速で回すことで、仕事に必要な直観力を磨くことができます。


動く機会と意味を考えるより、機会があれば必ず動くことを合意する。


どちらが簡単で、効率的でしょうか。


ということで。


このリーダー塾では常に機動を合言葉にしています。


機会にちゃんと動いたか。


この考え方の前段部分はもう少し準備や論理があるのですが、ここでは大きな意味合いだけ書いてみました。


皆さんも動機より機動。


イメージしてみてください。


きっと効果を実感していただけると思います。





 Akihito manabe profiel: 

 

研修講師、演出家、脚本家、小説家、作詞家

1968年生まれ

大学卒業後、大日本印刷、吉本興業を経て独立。

「演出」にフォーカスしたコミュニケーションプログラム「アクトレーニング」を開発。教育機関、企業などで幅広く講師活動を行う。

​一方、独特の感性でエンタテイメントビジネスでもハイブリッドエンタテインメント「魔界」の総合プロデュースなどを行う。

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