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横型の時代に垂直思考は通用しない。

IT金融企業さまのコミュニケーション研修に登壇させていただきました。





今回のテーマは「思考」

それも変化の激しい時代の意思決定に関わる思考についてワークとディスカッションを中心に行いました。

現代は歴史上例を見ない時代に直面しています。

それは「横型」の時代です。

本来、人間社会は「縦型」でした。

いわゆるピラミッドですね。リーダーがいて、そこから階層的に人が組織化されます。

この場合、情報統制や思考統制は容易であり、なおかつそれを統制するのに論理的な思考は有効になります。つまり垂直型の思考です。 エリートと呼ばれる人や、組織のリーダーは垂直型思考の人が多いのは「統制」をするためです。

ところが、現代はインターネットの普及、とりわけ、SNSの発達で、この縦型社会で有効であった垂直思考では情報や思考が「統制」ができません。

チームを率いるために必要な「情報」や「思考」が垂直ではなく横に拡散してしまうのです。

そしてその拡散のエネルギーは論理ではなく「感情」です。

「感情」は変化し、しかも答えはひとつではありません。

人によってさまざまな感じ方があるため、ひとつの論理で統制できないのです。

SNSは人の瞬間的な感情を吐き出すのにぴったりなツールです。しかも感情は他の感情に引火しやすい性質をもっています。

論理的思考は、ある程度の時間をもって練り上げられなければ到達しません。それだけ深く、さまざまな角度から検証する必要があるわけです。ですから、その時間を稼ぐために情報統制が必要なのです。

一方、SNSはその時間の猶予を与えてはくれません。玉石混交の様々な情報が瞬時に拡散するのです。

したがって現代に必要な思考は、その横型の社会にあわせなければなりません。

すなわち「横型」の思考です。

横型の思考とは、ありとあらゆる局面を幅広く考え、そこから推論をたて、実行し、そこで起こる変化を見て、その変化から再び起こり得る局面を考え、推論し、実行し、変化を起こす。

一度で解決をはかるのではなくスピード重視で、つねに変化を「自分のサイド」で起こすという考えです。

情報「統制」ではなく「発信」です。

この考え。

そう。

OODAです。

研修ではあえてOODAという表現は控えました。

OODAはそもそもが軍事戦術です。(戦略という解釈ですが、ワタシは戦術に位置づけています)

つまり「有事」もしくは「不安定」な状況のものです。

これは歴史的にみても混乱の時代はまさに「感情」が優先され、論理性が崩れそれが、それまでの常識であった縦型社会を崩壊させ、新たな秩序を生み出しています。

今の時代はひょっとするとそういう時代の転換期なのかもしれません。

ワタシの研修では、最近、こういう議論を必ず行うようにしています。

今回も非常に有意義な時間となりました。

OODAについては動画でも説明しているのでぜひご覧ください。




 Akihito manabe profiel: 

 

研修講師、演出家、脚本家、小説家、作詞家

1968年生まれ

大学卒業後、大日本印刷、吉本興業を経て独立。

「演出」にフォーカスしたコミュニケーションプログラム「アクトレーニング」を開発。教育機関、企業などで幅広く講師活動を行う。

​一方、独特の感性でエンタテイメントビジネスでもハイブリッドエンタテインメント「魔界」の総合プロデュースなどを行う。

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