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第67回目の魔界を終えて。

ついに2020年の魔界の扉が開きました。





新木場時代を終えて、新しい魔界をスタートさせました。





場所は「なかのZERO小ホール」





小ホールとはいえ、キャパは500、つくりもしっかりした良いホールです。





魔界をホールで行うことは、大きな利点があります。リングという制約がなくなることによって会場選びに非常に幅が広がり、地方遠征の可能性も大いに高まったこと、音響、照明などの演出効果のアップ、プロレスという概念からの解放。





その反動として、360度舞台という魔界が今まで培ってきた特殊性の欠如、プロレス技が行えるアクション部分の制限などが引き換えとなりました。





アクション部分は、われわれは通称「マカイバーン」と呼ばれる受け身がとれる板を開発し、なるだけマイナス面を小さくするよう対応しました。このマカイバーンはすでにゼロ号を昨年の「真田疾風録」で導入してその効果については実験できていました。まだまだ、改良点はありますし、まだマイナスを縮める段階なのでこれからさらに改良を重ねてこのマカイバーンそのものがアクション部分においてプラスになるように進化させていかなければならないと考えています。





360度が180度に変化することも「真田疾風録」で体験していたので、正直、大きなマイナスにはならないというか、むしろプラス面が大きいと考えていました。それは360度によって、あまりにも情報が拡散していたものが、きっちり180度の情報におさまることによって、より没入感が高まるということです。これが新木場時代の最大の問題であった、魔界の武器であるはずの「音楽班」の力が北と南に分断され、ともすれば音楽班は贅沢なBGMと化してしまうという問題です。これがひとつの空間におさめることによって、完璧な魔界の世界が構築できるメリットの方がはるかに大きいと考えていました。





結果は狙い通りだったと思います。





そして、最大の作戦は、会場を「魔界」と「冥界」の二分割し演出を明確に二項対立にしたことです。このことにより、複雑な魔界の世界や軍団構成、キャラクターを敵対するふたつの勢力という構造におさめよりわかりやすくしました。





そして、観客のみなさんには「兵」になってもらい、魔界、冥界の軍、ひいてはその中の軍団に所属してもらうという試み。初見の方や、静かに見たいという方には、中立席として後方の席をご用意しました。





原則的には全席自由席なので、どこの座ってもいいのですが、各軍に所属するという仕組みは、より魔界という世界を会場すべてで構成するというワタシのこだわりでした。





そして、リハーサルでも一番力を入れたのが、「いかに観客のみなさんと一体感をつくりあげるか」です。音楽の力が音響のアップと、演奏空間の広がりによって、よりライブ感を強くできることはわかっていましたから、ここに演者の「煽り力」を叩き込めば、そのエネルギーは爆発するものと確信がありました。





したがって、リハーサルでは本番と全く同じテンションで煽りの練習を重ねました。TARUさん、AKIRAさんというベテランから、若手まで誰ひとり手を抜くことなく全力で行いました。その結果が本番の爆発につながったと思います。





正直、本番まではそこまでリハーサルを重ねても「盛り上がらないのでは・・」という懸念がありましたが、魔界の兵と化したファンのみなさんの爆発力はわれわれの想像をはるかに上回るものでした。本当に感謝と驚愕です。





ストーリーラインとしては、大きなところとして浦えりか演じる滝の方の復帰、里見八犬士、真田十勇士、冥界本軍に新キャラの投入と、戦力強化をはかりました。





浦ちゃんの滝の方はさすが。





そして真田十勇士の由利こと有井ちえちゃん。





里見八犬士の犬飼現八こと宇崎湊くん。





冥界本軍の謎のキャラクター、月城ひまりちゃん。





3人とも若々しくはつらつとしたデビュー戦でした。


新しい魔界の新機軸は「音楽」のライブ感の融合です。演劇ではあんな歓声と盛り上がりがないでしょうし、プロレスの盛り上がりともまた違う一体感。





でもそこには演劇の要素、プロレスの要素があります。


鬼道丸や、三好伊三こと翔太くんの煽り方が音楽ライブとプロレス、演劇の盛り上げ方が見事にハイブリッドしてて素晴らしかった。





まずは良いスタートが切れた回でした。





ただ、課題もたくさんあります。


細かいことは書いたらきりがないけど、それらを含めて、魔界の兵たるファンのみなさんと共につくりあげていこうと思います。


魔界はここから拡散の時代になります。





まだまだ魔界の勢力は小さく、なかのZERO小ホールを満杯にするには至っていません。5月にはそのなかのZERO小ホールの倍のキャパであるGrossoが待っています。





われわれの戦いは今はじまったわけです。




これから毎月。


ともに戦いましょう。





今回の公演のワンカメラバージョンをYouTubeの魔界公式チャンネルにアップしています。→こちら


このブログを読んで興味を持ってくれた方がいればぜひご覧ください。


最新の魔界が見れます。


そして、次回は3月27日。


第68回魔界〜天国への階段Stair way to Heaven





真田昌幸、ASH、八房など主要のキャラクターが戻ってきます。


壮絶な戦いになることは間違いないでしょう。


ぜひ参戦してくださいませ。


チケットは→こちら

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 Akihito manabe profiel: 

 

研修講師、演出家、脚本家、小説家、作詞家

1968年生まれ

大学卒業後、大日本印刷、吉本興業を経て独立。

「演出」にフォーカスしたコミュニケーションプログラム「アクトレーニング」を開発。教育機関、企業などで幅広く講師活動を行う。

​一方、独特の感性でエンタテイメントビジネスでもハイブリッドエンタテインメント「魔界」の総合プロデュースなどを行う。

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