第65回魔界〜悲嘆Griefに向けて

最終更新: 2019年11月3日

定例の木曜日の魔界のリハーサル。

初回は出席率が高かったのに対して、2回目は欠席が多く、通し稽古をするには代役が多すぎて難しい状態でした。

こういう時は、芝居部分をしっかりとつくりこみます。

ワタシは、演出は基本的には演者のアイディアを尊重し、よほどおかしいところがない限り、口出しはしません。演出上で教えるのは、演技をする上での技術に関するインプットです。

基本的に演技とは「嘘」です。

本当にナチュラルな演技は、基本的に鑑賞に耐えれるものではありません。ナチュラルに見えてもそこには物語の「都合」や「制約」に対しての嘘があり、その嘘に「演技という技術」で整合をとっているに過ぎません。

つまり、演技とは、「都合」や「制約」によって生じる歪みを観客に意識させないように整合をとるものなのです。

なので、そこにはきちんとした理論や計算が成り立っていないとだめです。

理論、計算それを表現できる身体的な基礎技術。そのうえにはじめて「感情」がのるべきだというのが演出家としてのワタシの考え方です。

身体的基礎技術はプロであるなら演者が個人で努力することとして、理論や計算は、演出家それぞれが持っているものでもありますから、それは稽古の中で共有すべきです。

この日は、演者が揃っているシーンが少なかったため、じっくりその時間がとれた貴重な時間となりました。

魔界は基本的に2時間という極めて短い時間でリハーサルが組まれています。

それゆえにリハーサルにはいつもテーマをもって臨むようにしています。

この日は、非常に意義深いものになりました。

ダラダラ長いだけの無意味な時間は避ける。これがワタシの考え方です。

リハーサル後は、数名のメンバーと打ち上げ。

こういう時間にも新しいアイディアが浮かんだりします。

今月は真田疾風録もあるので、緊張感がいつもより高まっております。

新木場1stRingでの魔界はあと2回。

ぜひこの時代の魔界を体感してください。

お待ちしてます。

    1